コンピュータの歴史って、どうして重要なのかな?
情報Ⅰの授業でも習うけど、現代のコンピュータと何が違うの?
そうだよね。たとえば、最初のコンピュータってどんなものだったの?
どうやって進化してきたのかな?
それに、コンピュータの発展が私たちの生活や社会にどんな影響を与えたのか、具体的な例が知りたいな。
高等学校の「情報Ⅰ」の1分野「コンピュータとプログラミング」の中で、「コンピュータの仕組み」について学習します。
その内容を学ぶにあたって、過去のコンピュータの歴史を知ることは大切です。
あなたは、今自分が使っているコンピュータになるまでにどのような発明があったのか知っていますか?
皆さんの中には、そんなこと知らなくてもいいと思う人もいるかもしれません。
ですが、今使っているコンピュータやスマートフォンは、過去の技術者たちの努力があってのことであり、それなくして今使っているものはないのです。
皆さんの中には、
- コンピュータの始まりっていつなの?
- どのような機械が発明されてきたのだろう?
- どのように今のコンピュータに進化してきたのか?
など、さまざまな疑問が浮かんでいる人もいるかもしれませんね。
簡単に言いますと、「コンピュータの歴史」としては、時系列で追うと
- 17世紀 歯車式の機械式計算機の誕生
- 19世紀 計算機の進化
- 20世紀前半 電子計算機の登場
- 20世紀後半 小型化、パーソナルコンピュータの登場
となっています。
こんにちは。学校の教育現場や情報科の授業内容について発信中!
10年近く高等学校の情報科の教員をしている、花音といいます。
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- 幼少期からPCを触るのが大好き
- 数学が得意なバリバリ理系かと思いきや、読書も大好きな文系もいけるタイプ
- 高等学校の情報科の教員の経験あり
- 健康や美容、動物に関する動画を視聴するのが日常
皆さんは、普段コンピュータやスマートフォンを使っていますか?
多くの人が使っていると思いますが、今の形のコンピュータになるまでにどのような歴史を辿ってきたかをよく知っている人は少ないかもしれません。
しかし、コンピュータやスマートフォンを使うのであれば、どのような仕組みで動いているかだけでなく、どのような技術の開発、機械の発明があったのか、知っておくといいでしょう。
現代社会においてコンピュータやスマートフォンは、私たちの日常生活に欠かせない機器となっています。
正しく理解して、適切に使っていくために、今回は、情報Ⅰの「コンピュータの歴史」で学ぶ内容について、わかりやすく解説していきます。
以下の記事をお読みいただければ、コンピュータの仕組みを学ぶ上で基礎となる、コンピュータの歴史について考えることができますよ。
コンピュータの歴史を理解することで、コンピュータやスマートフォンの技術の凄さ、ありがたみも増すでしょう。
それでは、コンピュータの発達の歴史について学んでいきましょう!
コンピュータの発達の歴史 ~機械式計算機から現代のパソコンまで、わかりやすく学ぶ~
コンピュータの歴史は、単なる計算機から始まり、今日私たちの生活に欠かせない存在へと進化してきました。
17世紀:機械式計算機の誕生
機械式計算機「パスカリーヌ」
コンピュータの歴史は、1642年にブレーズ・パスカルが開発した「パスカリーヌ」に始まります。
これは歯車を使って加算や減算を行う機械式計算機でした。
その後、1672年にはゴットフリート・ライプニッツが乗除も可能な計算機を発明し、計算技術の基礎を築きました。
19世紀:計算機の進化
「階差機関」「解析機関」
1822年、チャールズ・バベッジは「階差機関」を発明し、2乗数表の作成を目指しました。
さらに、1834年には「解析機関」を構想し、現代コンピュータと同様に演算と記憶の機能を分離したり、プログラミングの概念を導入したりしました。
20世紀前半:電子計算機の登場
電子計算機「ABC」
1939年、アタナソフとベリーによって開発された「ABC」は、最初の汎用型電子計算機とされています。
これは演算装置の論理回路に約300本の真空管と、記憶装置にコンデンサを使用し、配線の変更でさまざまな計算が可能でした。
※ イギリスで開発された「Colossus(コロッサス)」は、演算装置と記憶装置すべてに2500本の真空管を使っているため、これが世界初の電子計算機であるという説もあります。
リレー式計算機「MARK Ⅰ」
1944年には、リレー式計算機「MARK I」が登場し、電磁石を使った電気的な計算が可能になりました。
リレーとは、電磁石によって電気回路を閉じたり開いたりするスイッチのことです。
ENIACとEDSAC…そしてEDVAC
ENIAC
1946年、エッカートとモークリーは「ENIAC(エニアック)」と呼ばれる世界初の実用的な真空管式電子計算機を発明しました。
この電子計算機には、1万8000本の真空管と50万本の配線を使用していました。
長さ45m、幅1m、高さ3m、重さ30tの巨大な装置は、機械式計算機で24時間かかった計算をわずか30秒で完了させることができました。
EDSAC
1949年には、モーリス・ウィルクスらによって「EDSAC(エドサック)」が開発され、プログラムをメモリに記憶して実行するプログラム内蔵型コンピュータの先駆けとなりました。
真空管約3000本、水銀を使ったメモリで記憶容量は約1KBでした。
EDVAC
現在のようにプログラムをメモリに記憶して実行するプログラム型のコンピュータのことを、その考え方を提唱した人物、ジョン・フォン・ノイマンの名前をとって、「ノイマン型コンピュータ」と呼びます。
おまけの話ですが、ノイマン自身もプログラム内蔵方式計算機「EDVAC(エドバック)」を開発していたのですが、開発に時間がかかってしまい、世界初のノイマン型コンピュータは「EDSAC」にその座を奪われてしまいました。
なお、ノイマンは「コンピュータの父」とも呼ばれています。
マイクロプロセッサの登場
Intel 4004
1971年、ビジコン(ビジネス・コンピュータ・コーポレーション)の嶋正利とIntel社のチームは共同で「Intel 4004」という世界初の4ビットマイクロプロセッサを開発しました。
現在のコンピュータやスマートフォンの多くは64ビットのCPUとなっていますが、当時は4ビットのCPUだったのですね。
写真ではわかりづらいですが、大きさは幅3mm、長さ4mmと、かなり小さなものです。
この小ささですが、計算能力は巨大なENIACと同程度の計算処理能力を持っていました。
このマイクロプロセッサの登場により、コンピュータはより小型化していくことになります。
パーソナルコンピュータの時代
Altair 8800
1974年、MITS社は「Altair(アルテア) 8800」と呼ばれる世界初のパーソナルコンピュータを発表しました。
コンピュータは大型で高価なもの。
購入だけでなく、運用にも巨額の費用が必要なコンピュータは、大企業や大学や研究所などが所有し、1台を、それら組織に所属する人々が共同で使用していました。
しかし、個人が所有するパーソナルコンピュータ、いわゆるパソコンが誕生したことで、個人で自分だけのために占有して使うことができるようになったのです。
この「パーソナルコンピュータ」という考え方を世界で初めて提案したのは、アラン・ケイです。
彼は「パソコンの父」と呼ばれています。
さて、話は戻り、世界初のパソコンである「Altair 8800」は、キーボードがなく、プログラムは文字や数字のコードによって設定し、入力していました。
AppleⅠとApple Ⅱ
1976年には、スティーブ・ウォズニアックがアップルコンピュータ「Apple I」を製作し、後に「Apple II」として大ヒットしました。
写真を見るとわかるように、「Apple Ⅰ」は木製のボディを持った、基盤が1枚だけのワンボードのコンピュータでした。
このコンピュータにはキーボードとモニタを別途装着する必要がありました。
日本のパーソナルコンピュータ
SEIKO-5700
1977年、日本では精工舎(現在のセイコーエプソン)が「SEIKO-5700」という国産パーソナルコンピュータを発表しました。
これは最初の入出力装置を備えた国産パソコンで、小型の個人用コンピュータとして多くの情報を扱うことができました。
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