コンピュータの仕組み大解剖!テクノロジーの裏側に迫る!

コンピュータ 情報科

ねえ、コンピュータってどうやって動いてるのかな?

うーん、よくわからないけど、中にはたくさんの電子部品があって、それが何かしらの魔法みたいに動いてるのかも?

魔法って、本当にそんな感じするよね。でも、どうやって画面に色々なことが表示されるのかな?

それも謎だよね。たぶん、コンピュータの中で何かが計算されて、それが画面に出るんじゃないかな?でも、具体的にどうなってるのかはさっぱりわからないな。

高等学校の「情報Ⅰ」の1分野「コンピュータとプログラミング」の中で、「コンピュータの仕組み」について学習します。

前の記事では「コンピュータの歴史」を学びましたね。

現在のコンピュータになるまでには、さまざまな人々や会社による発明がありました。

それを学んだ皆さんの中には、

  • 今自分が使っているコンピュータがどのような仕組みで動いているんだろう?
  • 普段ソフトウェアやハードウェアって言葉を聞くけれど、具体的に何を指しているんだろうか
  • 実際にコンピュータを分解して、どんな部品から成り立っているか知りたいな

など、興味がわいてきている人もいるでしょう。

簡単に言いますと、「コンピュータ」は

  • 物理的に触れることができる『ハードウェア』(コンピュータ本体やコンピュータ本体に接続して使う周辺装置など)
  • 物理的に触れることができない『ソフトウェア』(コンピュータを動かす仕組みやプログラム、データなど)

に2つに大きく分けられます。

こんにちは。学校の教育現場や情報科の授業内容について発信中!
10年近く高等学校の情報科の教員をしている、花音といいます。

    • 幼少期からPCを触るのが大好き
    • 数学が得意なバリバリ理系かと思いきや、読書も大好きな文系もいけるタイプ
    • 高等学校の情報科の教員の経験あり
    • 健康美容動物に関する動画を視聴するのが日常

皆さんの多くは、普段コンピュータやスマートフォンを使っているのではないでしょうか。

ただ、それらがどのような仕組みで動いているかは、普段あまり意識することは少ないかもしれません。

しかし、コンピュータやスマートフォンを日常的に使うのであれば、どのような仕組みで動いているかは知っておくことが必要です。

万が一故障した場合も、その仕組みを知っていることで適切に対処できるでしょう。

現代社会において、私たちの日常生活に欠かせない機器となっている、コンピュータやスマートフォン。

正しく理解して、適切に使っていくために、今回は、情報Ⅰの「コンピュータの仕組み」で学ぶ内容について、わかりやすく解説していきます。

以下の記事をお読みいただければ、コンピュータの仕組みについて深く学ぶことができますよ。

コンピュータの仕組みを理解すれば、コンピュータやスマートフォンの利用していて困ったときも自分で解決していくことができます。

それでは、コンピュータの仕組みについて学んでいきましょう!

コンピュータの基本構成 ~仕組みを図解からわかりやすく学ぶ~

コンピュータは、数値の記憶、演算、外部との入出力を行う機能を備えた電子機器です。

ハードウェアとソフトウェアの2つの要素から構成され、互いに連携し合ってコンピュータが動作します。

では、ハードウェアとソフトウェアとは、どんなものなのでしょうか?

簡単に説明すると、以下のようなものになります。

ハードウェア

コンピュータ本体やコンピュータ本体に接続して使う周辺装置などの物理的に触れることができるもの

ソフトウェア

コンピュータを動かす仕組みやプログラム、データなどの物理的に触れることができないもの

ハードウェアとソフトウェア
(出典:実教出版「最新情報の科学」)

ハードウェア

多くのコンピュータは、記憶装置にプログラムの命令をデータとして格納し、それを順次読み込んで実行する逐次処理方式を採用しています。

この方式は、「コンピュータの父」ジョン・フォン・ノイマンによって提唱されたコンピュータの基本構成です。

ジョン・フォン・ノイマン

ノイマンの名前は、コンピュータの歴史でも出てきましたね。

彼の提唱したコンピュータの基本構成は、「ノイマン型」と呼ばれています。

このノイマン型コンピュータは、次の「コンピュータの五大要素」と呼ばれる装置とそれらを接続するデータ伝送路である「バス」から構成されています。

コンピュータの五大要素

  • 演算装置…データの計算を行う装置
  • 制御装置…プログラムの実行や、各装置の制御を行う装置
  • 記憶装置…プログラムやデータを記憶する装置
  • 入力装置…外部からデータを取り込む装置
  • 出力装置…外部へデータを出力する装置

さて、これらの五大要素を人間に例えて考えてみましょう。

私たちは普段、頭脳を使ってものを考え、動くときなども体に指令を出していますね。

そんな人間の頭脳に該当するのが、「演算装置」と「制御装置」です。

これらをまとめて、「CPU」と言っています。

CPU[Central Processing Unit]

演算装置と制御装置をまとめたもの。
中央演算処理装置ともいう。

「CPU」は必要なデータの受け渡しを指示したり(制御)、計算したり(演算)、そして,出力装置に結果を表示するように命令したりしています。

同じく人間の頭脳にあたるのが、「主記憶装置」です。

皆さんも何かを記憶するのに頭脳を使いますよね?

主記憶装置

CPUから直接アクセスする内部記憶装置で、メインメモリ(メモリ)やRAM[Random Access Memory]とも呼ばれている。

一時的な記憶を保持する場所であり、電源を切るとその記憶は失われる。

現代のPCでは、メモリの容量は通常4GBから32GBの範囲です。

基本的な用途に使うPCでは4GBから8GBが一般的ですが、より高性能が求められるゲームやプロフェッショナルな作業用のPCでは16GBから32GB、場合によってはそれ以上のメモリが搭載されています。

スマートフォンやタブレットでは、メモリの容量は2GBから12GB程度が一般的です。

ハイエンドのスマートフォンでは8GB以上のRAMを搭載することが増えています。

さて、話を元に戻しましょう。

先ほど、主記憶装置は人間の頭脳に該当するという話をしました。

ただ中には頭脳で記憶しきれないことがあると思います。

そんな時、人はどうするでしょうか?

その場合、多くの人はメモやノートをとったりしますよね。

そのメモやノートに該当するのが、次の「補助記憶装置」です。

補助記憶装置

主記憶装置以外の記憶装置のことで、ストレージとも呼ばれる。
電源を切っても情報を保持できる。

(例)
・ハードディスク(HDD[Hard Disk Drive(ハードディスクドライブ)])
・SSD[Solid State Drive(ソリッドステートドライブ)]
・USBメモリやメモリカード(SDカード、micro SDカードなど)
・光学ドライブ(CD、DVD、Bru-ray Discなどの光ディスクを読み書きするための外部記憶装置。最近のノート型パソコンにはあまり装備されていない)

人間は目で物を見たり、耳で音を聴いたりします。

このように、人間の目や耳にあたるものが「入力装置」です。

入力装置

外部情報をコンピュータに伝える。

(例)
・マウス
・キーボード
・マイク
・カメラ

人間は口で言葉を発したり、手で文字を書いたりします。

このように、人間の口や手にあたるものが「出力装置」です。

出力装置

処理の結果を人間が認知できる形に変えて出力する。

(例)
・ディスプレイ
・プリンター
・スピーカー

ディスプレイ・スピーカー・マウス・キーボードのイラスト

ノイマン型コンピュータとして初めて実用されたものは、1949年の「EDSAC」でした。

EDSAC

「コンピュータの歴史」でも出てきましたね。

それ以降、ハードウェアの小型化やコンピュータに実装される機能の変化により、現在多くのコンピュータでは、次の図のような構成となっています。

コンピュータの基本構成
(出典:実教出版「最新情報の科学」)

コンピュータの五大要素以外に、ネットワークに使用する機器として、ルータやハブなどがあります。

これらの機器については、「情報通信ネットワークの仕組み」を学習するときに、詳しく見ていきましょう。

さて、本体をもっと詳しく見ていきましょう。

デスクトップ型パソコンの中身

デスクトップ型パソコンの中身

ノート型パソコンの中身
ノート型パソコンの中身

(出典:日本文教出版「情報 最新トピック集 2023 高校版」)

その中でも、次の4つの機器の名前は知っておきましょう。

ハードディスク マザーボード CPU メモリ
ハードディスク マザーボード CPU メモリ

 

ハードディスクとSSDの違い

「補助記憶装置」の一つである、ハードディスクとSSD。

これらの違いは次の通りです。

ハードディスク

  • 大容量で安価
  • 構造上衝撃に弱い
  • 大きく重い
  • 作動音が出る
  • 消費電力が高い

SSD

  • ハードディスクの弱点を持っていない
  • ランダム・リード・ライト性能が高い
  • 消費電力が低い
  • 無音
  • 衝撃に強い
  • 軽い
  • 記憶容量あたりの値段がハードディスクの何倍も高い

予算に余裕があり、長く使いたいと考えるのであれば、SSDを選ぶのがおすすめです。

SSDであれば、かなりハードな使い方をしても、5年以上耐えることができ、実用上は十分に長寿命です。

ソフトウェア

一般にソフトウェアは、基本ソフトウェアと応用ソフトウェアに大別できます。

基本ソフトウェア

基本ソフトウェアは、ハードウェアと応用ソフトウェアの仲介を行い、コンピュータの中核となるソフトウェアのことをいいます。

オペレーティングシステム、略してOSとも言われます。

さて、皆さんは代表的なOSを知っていますか?

少なくとも、普段自分が使っているスマートフォンやパソコンのOSは知っておきましょう。

例えば、以下の表のものがあります。

スマートフォンのOS パソコンのOS
Microsoft社製 Windows
Google社製 Android Chrome OS
Apple社製 iOS macOS

その他にも、サーバで多く用いられている「UNIX」や「LINUX」、ファクシミリ端末やカラオケシステムなど広く使われている「TRON」などがあります。

iOSとAndroidの違い

皆さんの中にはApple社のiPhoneを愛用する人もいれば、Google社のAndroidを採用したスマートフォンを愛用する人もいるでしょう。

スマートフォンとしての使い勝手だけ見れば、iOSもAndroidもとてもよく似ています。

しかし、機器やアプリの開発の側面では大きな違いがあります。

iOSとiPhoneはApple社が自社で完全管理して開発・製造しています。

一方、Androidは無償で提供されているオープンソースソフトウェアです。

SONYやSHARPなど、多くのメーカーがAndroidを搭載する製品を製造しています。

ただし、同じAndroidを搭載していても、メーカーごとには機能や使い勝手に違いがある場合もあります。

アプリケーションソフトについては、iOSは「App Store」だけで提供されています。

それに対し、Androidは「Google Play」やその他のアプリマーケットで提供されています。

あるアプリはiOSには対応していても、Androidには対応していない場合もあります。

両方に対応している場合もありますが、それはiOS、Androidそれぞれのアプリを用意してくれているということであり、1つのアプリでどちらにも対応しているわけではありません。

OSの機能

OSには、次のような機能があります。

ファイル管理 ファイルの記録などを管理
メモリ管理 各種のソフトウェアが使うメモリの割り当てを管理
マルチタスク ソフトウェアの実行の順序やCPUへの割り当てなどを管理
入出力管理 キーボードやマウス、ディスプレイなどのハードウェアを管理
ネットワーク管理 他のコンピュータとの通信状態を管理
ユーザインタフェース 利用者とコンピュータの間の入出力の手段
マルチタスク機能

コンピュータの内部では、さまざまなプログラムが動いています。

CPUコア(プログラムを実行するための中核部分)が1つしかなくても、多数のプログラム(タスクとも言います)が並行して動いているように見えます。

これはOSのマルチタスク機能によって実現しています。

(出典:日本文教出版「情報 最新トピック集 2023 高校版」)

ユーザインタフェース

ユーザインタフェースとは、ユーザの操作の仕方とコンピュータの応答の仕方を指します。

多くのOSでは、画面上のアイコンで応用ソフトウェアやファイルを表示し、アイコンをマウスで操作するとウィンドウが開いて命令を実行したり内容を表示したりします。

このような環境をGUI[Graphical User Interface]といいます。

GUI

これに対し、命令を文字で入力して実行させる環境をCUI[Character User Interface]といいます。

CUI

上の黒の画面はコマンドプロンプトです。

検索バーで「cmd」と入力すると「コマンドプロンプト」を開くことができます。

例えば、この画面で「notepad」と入力するとメモ帳が立ち上がります。

現在ではGUIが広く普及し、コンピュータだけでなく携帯電話やテレビなどの様々な機器で採用されています。

一般に、CUIはGUIに比べて「使いにくい」と言われることが多いです。

使い方を学ぶのに要する時間の短さや楽しさではGUIが優っていますが、十分習熟した人にとってはCUIの方が操作が早いことが多いです。

このため現在でも、CUIを好んで使う人がそれなりにいます。

つまり、UIを設計するときには、どのようなユーザを対象とし、どのような「使いやすさ」を優先するのかをまず決める必要があるのです。

応用ソフトウェア

応用ソフトウェアは、特定の目的の作業に用いるソフトウェアのことで、アプリケーションソフトウェア(アプリ)とも呼ばれます。

皆さんも、「アプリ」と言われれば、すぐにピンとくるでしょう。

アプリには、Web検索や画像処理のほかに、文書作成の「Word」、プレゼンテーションの「PowerPoint」、表計算の「Excel」、データベースの「Access」などがあります。

アプリの種類
(出典:日本文教出版「情報 最新トピック集 2021 高校版」)

コンピュータの性能を見分けよう

コンピュータは、CPUが主記憶装置に格納されている命令やデータにアクセスしながら、処理を進めていきます。

したがって、CPUと主記憶装置間の情報のやり取りや、CPUの処理の速さなどが、コンピュータの性能(処理能力)に大きく関係しています。

あなたはコンピュータやスマホを新しいものに買い替えるとき,どこに注目して選びますか?

CPUが処理できるデータ量

一度に処理できるデータ量が多いCPUほど、性能の高いコンピュータと言えます。

一度に処理できるデータ量は「ビット」の単位で表されます。

4ビットのCPUであれば、2進数の4桁分、つまり「0000」や「0001」といった情報を扱えます。

4桁の2進数は16パターンなので、16パターンの情報を扱えます。

4ビットのCPUで思い出してほしいのは、「コンピュータの歴史」の際に学習した「Intel 4004」です。

世界初のマイクロプロセッサ「Intel 4004」は、4ビットCPUでした。

その後、CPUの用途は各種装置の制御やパソコンなどに拡大していき、データ処理の単位は、8ビット、16ビット、32ビット、64ビットと増えて、同時に動作周波数もどんどんと高められました。

現在のコンピュータはパソコンもスマホも64ビットが主流となっています。

CPUの処理速度

ビット数は一度に処理できるデータの量を表していますが、大量のデータを扱えても、処理がゆっくりでは高性能とは言えません。

CPUは「クロックジェネレータ」が発する「クロック信号」に合わせて動作します。

クロックジェネレータが出す信号の周波数(1秒間の振動数)を、「クロック周波数」と呼び、単位はHz(ヘルツ)で表されます。

1秒間により多くのクロック信号を発信できるCPUほど、高速で情報を処理できます。

PCの性能表示をWebサイトなどで調べると「動作周波数」などの表記があります。

(例)動作周波数 2.90GHz(最大5.00GHz)
→1秒間に29億回のクロック信号を発するということです。
2.90GHzを歩いている状態とすると、「最大」の表記は走っている状態を示します。
一時的に5.0GHzまで周波数を高めることができます。

自分のコンピュータのCPUのコア数を確認してみよう

Ctrl+Shift+Escキーを同時に押すと、「タスクマネージャー」が表示されます。

その中で「パフォーマンス」を見ると、CPUの種類やコア数、論理プロセッサ数、クロック周波数などがわかります。

単純に考えると、CPUのコア数が多い方が性能が高くなります。

論理プロセッサ数(スレッド数)は一つのCPUコアが同時に何個の命令列(プログラム)を処理できるかを示します。

つまり、同じコア数ならコア内の論理プロセッサ数が多い方が性能が高いということになります。

調べてみよう

コンピュータを購入する場合、必要な性能はどの程度でしょうか。

用途に応じて、以下の観点を中心に調べてみましょう。

・調べる観点:CPUのメモリ/補助記憶装置(ストレージ)の容量

1.用途:Webサイトの閲覧やメッセージのやりとりに利用するコンピュータ

2.用途:Officeソフトや画像編集ソフトなど、複数アプリケーションを同時に立ち上げる作業を頻繁に行うためのコンピュータ

3.用途:Adobe Premiere Proを用いて動画編集をするためのコンピュータ

 

コンピュータの仕組みを理解して、有効活用しよう

コンピュータは現代生活に不可欠な存在で、その動作原理を理解することは、テクノロジーが進化する社会で非常に重要となっています。

コンピュータの核となる部分はCPU(中央処理装置)で、これは複雑な計算やデータ処理の指令を実行します。

CPUの速度と効率は、コンピュータの全体的なパフォーマンスを大きく左右します。

一方、メモリは、CPUが迅速にアクセスし、データを一時的に保持する場所です。

プログラムの実行中に必要なデータや命令がここに保存され、CPUはメモリからこれらの情報を取得して処理します。

メモリの容量が大きいほど、より多くのプログラムやデータを同時に処理でき、システムの応答速度が向上します。

長期的なデータ保存には、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの補助記憶装置が使用されます。

HDDは大容量でコスト効率が良い一方、SSDはより高速で耐久性に優れています。

これらのストレージデバイスは、写真、動画、文書などのデータを保存し、必要に応じてアクセスするために使われます。

これらの主要な部品が連携して、私たちが日常的に行うWeb検索、動画視聴、文書作成などの作業を可能にしているのですね。

自分たちで新しくコンピュータやスマートフォンを購入するというときは、どんな用途で使っていくのか、どこまでの性能が必要なのかをよく考えてみましょう。

コンピュータの仕組みを理解することで、私たちはより効率的にこれらのツールを活用し、デジタル社会での生活を豊かにすることができます。

何となくでコンピュータを使うのではなく、仕組みをしっかり理解した上で使っていけるといいですね。

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